鑑定サービスの比較表を読む前に
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本ページの比較表は、各社の公式サイトで確認できた事実項目だけを並べています。順位付けや優劣の判断は行いません。公式サイトで確認できなかった項目は「公式サイト参照」と表記しています。評価スケールは各社独自の基準であり、同じ数字でも意味が同じとは限りません。
グレーディング鑑定のサービスは、世界に複数あります。鑑定の仕組みと評価項目で見たとおり、真贋の判定、状態の数値化、スラブへの封入という工程は共通していますが、運営している会社、評価の出し方、取り扱うカードの範囲、日本からの申込みやすさは同じではありません。比較表では、日本のトレーディングカードの持ち主が確認したい項目を六つに絞り、事実として確認できたものを並べました。
掲載しているのは、PSA、Beckett、CGC Cards、SGC、TAG、ARSの6サービスです。網羅的な一覧ではなく、公式サイトで事業内容を確認できたものを取り上げています。ほかにも鑑定や真贋判定を提供する事業者は存在しますが、公式の一次情報を確認できなかったものは掲載していません。サービスの提供状況は、受付の一時停止や基準の変更で変わることがあります。
【比較表】グレーディング鑑定サービス6社
| プレイヤー | 運営会社・グループ | 本社国 | 評価スケール | 日本での受付窓口 | AI・画像解析の公表 | 鑑定書・証明番号の照会 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| PSA | Collectors Holdings, Inc.のブランド(同社公式サイトのブランド一覧に掲載) | 米国 | 1〜10の整数。最高位は「Gem Mint 10」 | 日本語の公式サイトあり。申込み条件は公式サイト参照 | 公式サイト参照 | ラベルに証明番号を表示。照会方法は公式サイト参照 |
| Beckett(BGS) | Collectors Holdings, Inc.のブランド一覧に掲載 | 米国 | 10段階。センタリング・コーナー・エッジ・表面のサブグレードを表示。最高位は「Pristine 10」(ブラックラベル) | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 |
| CGC Cards | CGC(コインや紙幣、コミックの鑑定サービスと同じ所有・経営陣のもとで運営) | 公式サイト参照 | 公式サイトのGrading Scaleのページ参照 | 日本向けの窓口は公式サイト参照 | 公式サイト参照 | あり(ラベルに証明番号とQRコード、証明番号の照会ページ) |
| SGC | Collectors Holdings, Inc.のブランド一覧に掲載 | 米国 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 |
| TAG | Technical Authentication & Grading, LLC | 公式サイト参照 | 公式サイトにGrading ScaleとGrading Rubricのページあり | 日本円(JPY)での価格表示に対応。受付窓口は公式サイト参照 | あり(画像データにもとづくDIGレポートを提供と記載) | あり(証明番号の検索、Pop Report) |
| ARS | 株式会社Arsales(2020年10月設立) | 日本(東京都千代田区) | Grade 1〜10(完璧な状態のみ「10+」)。真贋のみの場合は「AU」 | 国内サービス。日本語のフォームから申込み | 公式サイト参照 | あり(鑑定済み検索のページ) |
2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。「公式サイト参照」は、公式サイト上で確認できなかった、あるいはサイトの仕様上確認できなかった項目です。表の事業内容は各社の自己説明であり、第三者による評価ではありません。
比較表の6つの項目が意味すること
比較表の列は、日本のカードの持ち主が鑑定会社を調べるときに、最初に確認したい事実を六つに絞ったものです。それぞれの列が何を示し、どのような点に注意して読めばよいかを説明します。
「運営会社・グループ」は、どの法人がサービスを提供しているかを示します。鑑定ブランドの名前と運営会社の名前が異なることは珍しくなく、複数のブランドが同じグループに属していることもあります。トラブルや問い合わせの窓口は、運営会社を基準に考えることになるため、会社名と所在国を把握しておく意味があります。「本社国」は、問い合わせの言語、輸送の経路、適用される契約や準拠法の見当をつける材料になります。
「評価スケール」は、グレードの付け方です。整数の10段階か、サブグレードを併記するか、真贋のみの区分があるかといった違いがあります。「日本での受付窓口」は、日本語で申し込めるか、日本国内の受付先があるか、日本円で料金が示されるかといった、申込みやすさを示す列です。窓口があることと、料金や納期が有利であることは別の問題ですので、列の内容を優劣の指標として読むことは避けてください。
「AI・画像解析の公表」は、評価の過程で画像データやAIを使っていることを、公式サイトで公表しているかどうかです。公表していない会社が使っていないとは限りません。「鑑定書・証明番号の照会」は、鑑定済みのカードを買う側が、ラベルに記載された番号から鑑定結果を確認できる仕組みがあるかどうかを示します。中古市場で鑑定品を取引する場合、この照会の仕組みが、ラベルの真偽を確かめる手段になります。
各サービスのプロフィール
以下は、公式サイトに掲載されている内容に基づく各サービスの概要です。事業内容や特徴は各社の自己説明であり、当サイトによる評価ではありません。
#01PSA
PSAは、Collectors Holdings, Inc.の公式サイトで、PCGSやBeckett、SGCなどとともにブランドとして紹介されているトレーディングカードの鑑定サービスです。公式の基準ページには、最高評価のGem Mint 10について、表面のセンタリングがおおむね55対45、裏面が75対25の範囲に収まることが目安として示され、割合は概数であり、境界付近では見た目の印象を含めて判断する場合があると説明されています。グレードは1から10の整数で示されます。日本語の公式サイトが用意されているため、日本から利用する場合の申込み条件や料金、納期は、日本語ページの案内で確認できます。
#02Beckett(BGS)
Beckettは、センタリング、コーナー、エッジ、サーフェスの四つの項目ごとの評価をラベルに表示する点を、公式ページで特徴として説明している鑑定サービスです。最高位のPristine 10は、いわゆるブラックラベルと呼ばれ、表面のセンタリングが50対50、裏面が55対45以上であることなどが条件とされています。同社のグレーダーへのインタビュー記事では、四つの評価が単純平均ではなく、重みをつけた算出方法で総合評価に反映されると説明されています。2025年12月にはCollectorsが同社の買収を発表しており、同社は独立したブランドとして運営を続けると説明しています。
#03CGC Cards
CGC Cardsは、CGCのうち収集カードの鑑定を担う部門で、TCG(トレーディングカードゲーム)、スポーツカード、ノンスポーツカードの鑑定、封入サービスを提供していると公式サイトに記載されています。コインの鑑定のNGC、紙幣のPMG、コミックなどのCGCと同じ所有・経営陣のもとで運営されているという説明があります。ラベルには固有の証明番号とQRコードが付き、公式サイトに証明番号の照会ページが設けられています。公式サイトには、グレード評価を扱うページ、鑑定の保証に関するページ、カードの提出方法に関するページが用意されています。
#04SGC
SGCは、Collectors Holdings, Inc.の公式サイトに、PSAやPCGS、Beckettなどとともにブランドとして掲載されている鑑定サービスです。Collectorsが2024年にSGCを取得したと同社の発表で説明されています。評価のスケールや受付条件、証明番号の照会方法の詳細は、公式サイトの案内で確認する必要があります。申込みを検討する場合は、取り扱うカードの種類と最新の料金表を、公式サイトでご確認ください。
#05TAG
TAGは、Technical Authentication & Grading, LLCが運営する鑑定サービスです。公式サイトには、Grading ScaleとGrading Rubricのページがあり、評価の基準が公開されています。画像データにもとづくDIGレポートを提供していることも記載されており、証明番号の検索とPop Reportの機能が用意されています。対応するタイトルとして、ポケモン、マジック:ザ・ギャザリング、ドラゴンボール、ONE PIECE、ロルカナ、ヴァイスシュヴァルツ、デジモンなどのカテゴリが公式サイトのメニューに並んでいます。サイトは日本円での表示にも対応しています。
#06ARS
ARSは、株式会社Arsalesが運営する、日本発のトレーディングカード鑑定サービスです。2020年に発足し、公式サイトでは日本初のTCG専門の鑑定機関と自社を紹介しています。評価はGrade 1から10で、完璧な状態のみ10+と表記し、真贋鑑定のみの場合はAU表記になります。鑑定は保存状態のみを評価の対象とし、センタリングなどの印刷ずれは減点の対象外と説明されています。遊戯王、ポケモンカード、ヴァイスシュヴァルツ、ドラゴンボール、デュエル・マスターズなど、国内で流通するタイトルを幅広く扱う点も特徴です。
鑑定サービスを比べるときの視点
比較表の項目は、サービスの優劣を判断するためのものではなく、自分の目的に合うかどうかを確かめるための材料です。ここでは、表を見るときに意識しておきたい三つの視点を挙げます。
評価の出し方が同じかどうか
四つの項目をすべて評価に反映する会社もあれば、保存状態だけを評価し、センタリングは評価の対象外とする会社もあります。サブグレードを表示する会社と、総合評価の数値だけを示す会社もあります。そのため、数値を並べて「どちらが高い」と比べるのではなく、基準の違いを前提に読むことが大切です。
運営の背景を知る
複数の鑑定ブランドが同じグループに属している場合があります。Collectors Holdings, Inc.の公式サイトには、PSA、Beckett、SGCがブランドとして並んでいます。ブランドが同じグループに属していても、同社の発表によれば、Beckettは独立したブランドとして運営され、基準や顧客対応も別になると説明されています。運営の背景を知ることは、サービスの特徴を理解する助けになりますが、評価の優劣を示すものではありません。
日本からの申込みやすさ
日本語で申し込めるか、国内で発送を完結できるか、海外へ送る場合の補償や通関はどうなるか、といった点は、申込みやすさを左右します。ARSのように国内で完結するサービスは輸送の手間とリスクが小さくなります。一方で、海外のコレクターへ売却する予定がある場合は、売却先でどの鑑定会社の表示が使われているかも確認事項になります。どちらが適しているかは、カードの種類、売却や保管の予定、予算によって変わります。
対応するタイトルと、受け付けない商品
鑑定会社ごとに、受け付けるタイトルやカードのサイズ、状態が定められています。ARSは、公式サイトに鑑定可能なタイトルの一覧を掲載し、金属製のカードや、未開封のパック・プロモカードは受け付けないなどの条件を示しています。TAGも、公式サイトのメニューに、対応するタイトルのカテゴリを並べています。同じカードでも、会社によって受け付けられるかどうかが分かれるため、申込みの前に、自分のカードのタイトル、年代、サイズが対象になるかを確かめる必要があります。
この点は、比較表の列には含めていません。対応タイトルは新しいゲームの登場や運用の変更で変わりやすく、表に固定すると古い情報になるおそれがあるためです。最新の対象は、各社の公式サイトでご確認ください。表に載せていない項目として、料金や納期もあります。これらは改定や受付の一時停止が頻繁にあり得るため、申込みの直前に公式サイトの料金表と受付状況を見て判断することが大切です。
一次情報の確認先
- Collectors Holdings, Inc.:ブランド一覧
- PSA:Grading Standards
- Beckett:Trading Card Grading Services、グレーダーへのインタビュー
- CGC Cards:About CGC Cards
- SGC:公式サイト
- TAG:公式サイト
- ARS(株式会社Arsales):会社概要、鑑定基準、鑑定可能タイトル
